第72章 能楽
「なんだ、どうした大将?」
「本丸に家族が沢山増えてく。嬉しすぎるよ、流石薬研の兄弟だね!はぁ、早く帰りたいなぁ…」
家族、と言った幸せそうな顔ったらない。
そうだな、と背中を撫でると、また心底嬉しそうに俺の頬に擦り寄った。
「早く会えるといいな。」
「うん!」
大将が笑うと胸が温かくなって、あぁ、本当に俺はが好きなんだな、と思う。
それと同時に、自分の物にしたいという欲も沸くようになった事に気付いたのは、こちらへ来てからだったな。
綺麗だな、と眺めていた物がこんなに傍にあるんだから…