第69章 心做し
赤くなったり青くなったり、忙しいな。
あれでもないこれでもないとカゴに材料を入れ、精肉の並ぶ前で、今日は鶴丸に手伝ってもらおうか‥と呟く。
「ね、何か思い付いた?」
「いや…何も。」
他の事を考えていたとは言えない。
「伽羅ちゃん、中華とかどうかな?角煮…あ、豚より牛のが良い??」
「‥別に。」
なぁに?と不思議そうな顔をしているこいつを見ているだけで良く解らない気持ちが湧いてくる。
「……。」
ああ、そうか、俺達はこうなりたいから戦ってるんだな。
こいつが笑える今の為に戦ってるんだな。