第60章 バレンタイン
「大将、これから何処行くんだ?」
「前に真似て作った物のお店とは違う所なの?と言うか、主ちゃん今度は何を作るの?」
「俺はあれでもいいぞ、プリン!あれは美味かったな!」
鏡越しに目が合うと、少し考えてから続ける。
「少し離れた所にチョコレートの専門店があるらしいから、そこへ行ってみようと思うの。行った事ないからどうか解らないけどね。」
作る時の参考になればいいな、と笑う主ちゃんは本当に楽しそうで、見ていると此方まで笑顔になる。
反面、昨日から何回か違和感を感じさせる物言いがあるのに気付いて、何とも言えない気分になった。