第60章 バレンタイン
「はい、では今日はこの子で行くので乗って下さいね。」
駐車場に着くと、主ちゃんが指差したのは八人乗りの大きな車だった。
「主ちゃん、車集めるのが好きなの?」
「おお、デカい車だな!なんだ、他にもあるのか?きみは独り暮らしだろ?」
「‥別にいいじゃない。早く乗った乗った!鶴丸は屋根の上でも構わないんだよ?」
「主殿、鶴丸殿は置いていっては?」
「ああ…その方が静かでいいな。」
「一期と伽羅坊が冷たい‥」
扉を閉めて走り出す。
助手席は昨日と同様、薬研君だ。もし僕が短刀なら薬研君と同じ様に接してもらえるのかな…