第1章 主と一緒
「目当ての物は見付けられたんですか?」
「うん!ばっちり!それで長谷部ごめんね、ちょっとだけここで待っててくれる?すぐに買ってくるから!」
「待てと言うならいつまでも、迎えに‥「そんなに待たせないし!いつも言ってるでしょー!私が長谷部を置いて行くわけないじゃない?」
ふっ、いつも遮られてしまう。
主は俺がこう言うと毎回決まって置いていかない、と言うんだ。
本当はそれが聞きたくて言っている、なんて絶対に言えないがな。
「じゃ、行ってくるからね!」
そう早口で言うと、主は走って行ってしまった。いつも大人しくしてるのは嫌いだ、と何度も言ってはいたが、今日ほど急いでいる主も珍しい。