第31章 甘えかた
小さくて温かい手が髪を撫でる。‥撫でられる、というのは案外気持ちのいいものなのだな…とても落ち着く。
「いつも、弟達は主殿にこうして撫でられて幸せですな、私は甘えるという事がよく解らんのです‥」
「そぉ?一期だって甘えていいんだよ?いっぱい頑張ってるんだもん、いつでもこうして撫でてあげるのに。」
「…‥では、主殿さえよろしければ‥誉の褒美に、その、私を甘やかしてはいただけないでしょうか‥?」
「え…甘やかす??」
少し驚いたような顔をしたが、また主殿が笑う。
こんなのご褒美にしちゃっていいのかなぁ?そう呟きながらも、両手を開いて私にしっかり向き直った。