第94章 今を生きる
「長谷部?」
「すぐに君をこの腕に抱き寄せ、赤道直下のごとく百万の燃える口付けを浴びせたい。とか、僕は初めて恋に落ちた、この愛は続くよ、永遠に続く愛なんだ。とか、沢山の愛を囁く言葉がありました。‥でも俺は、主へのこの気持ちを言葉には出来ません。そんなもので表せるようなものではないんですよ。誰かの言葉を借りて主が理解してくれるのであれば、何度でも本を読み聞かせしましょう。それ程に…」
そこまで言った長谷部さんが、口の動きだけで主に伝える。
( あ い し て る )
俺にはそう言ったように見えた。言葉じゃない気持ち、言葉には出来ない気持ち、それが全部詰め込まれてるみたいだった。
「はせべ…」
主、よかったね。主はこの本丸の皆に大切に想われてるよ!