第17章 名を呼べば
障子を勢いよく開けて縁側から顔を出した主ちゃんが、辺りを見回してからこちらに振り返った。
「加州、今日畑当番だったよね?」
「え?うん。加州君なら畑当番だけど……なんで??」
状況が理解出来ないでいると、主ちゃんが加州君を呼んだ。
「加州ぅー!畑に居る??お願いがあるの、ちょっと来てくれるかなー?」
「んー?俺の事呼んだぁ??ちょーっと待ってね、すぐ行くからー!」
畑の方から加州君の声がする。
「加州、来るって。」
「うん?うん…」
僕を見てそう言うと、少しワクワクした様子で畑の方へ向き直った。