第93章 白妙
「燭台切、どうだ、そろそろ配膳は落ち着いたか?」
「やぁ、長谷部君。そうだね、大体行き渡った筈さ。長谷部君は…探し物中かな?お疲れ様!」
空になった重箱を重ねながら、燭台切がこちらに振り返る。燭台切と黙々と稲荷鮨を頬張る大倶利迦羅だけか…主はここにも居ないんだな。
「主ちゃんから聞いたよ?皆の所、廻ってたんだろ?」
「あぁ、そうだ。‥その主はまだ見付かってないがな、色々と話を聞けて悪くは無かった。」
「ふふ、意外だね。長谷部君は主ちゃん以外には興味が無いんだと思ってたのに。」
「そうか?」
そうだよ、と笑いながら差し出された熱い湯飲みを受け取る。
「主ちゃんには、ヒントを置いてきたって聞いたけど、皆とはどんな事話したの?」
「主からの伝言を受け取って、次に主が行くと言った所へ行ったんだ。」