第93章 白妙
「こぎつねまるが、おひめさまだっこ?というやつでつれていきましたよー!ぼくもいわとおしにしてもらうやくそくをしました!」
「主は子らに好かれておるな。父は子らが仲が良くて嬉しいぞ。」
そうか、また主は居ないのか。小狐丸なら三日月と一緒だろうな…辺りはすっかり暗くなった、いくら夜目が利くとはいえこう人数がいると大変だ。
「はせべ、こっちですよ。」
服の裾を引いた今剣が、立ち上がって俺の前を歩き出す。子らに宜しくな、と後ろで笑う小烏丸に見送られて歩くうちに、内番の時の様に後ろで一つに髪を結った白い頭を見付けた。
「今剣、助かった。もう大丈夫だ。」
「よかったです、はやくあるじさまをみつけてあげてくださいね!」
声を掛けようとすると、白い頭の向こう側に居た三日月と目が合う。