第93章 白妙
「まてまて、どういう事だ…」
「だからぁ!!ボクがさっき本丸に帰って来て、資源倉庫の前を通ったら呻き声みたいなのが聞こえたんだってば!」
「‥ああ、俺も聞いた。物音がしてたんだ、昨夜も。」
居間へ重箱を運んでいたところを、騒ぐ乱と珍しく口数の多い山姥切に捕まった。主が外出されているこんな時に何事か、と聞いてみればこれだ。
「……開けてみれば良いだろ?」
「そっ!!そんな事ボク出来ないって!怖いからこっそり隠れて聞いてたんだもん。」
「何だその目は…べ、別に俺は怖くはないぞ!」
布をぐっと引っ張り、顔を完全に隠した山姥切のあからさま過ぎる仕草に溜め息が出る。
しかし、物音や呻き声か…
「おい、他に物音を聞いた者はいないのか?まさかとは思うが、侵入者かもしれないからな、確認に行くぞ。」