第88章 四月一日
「な、何だよ!俺だけ悪者みたいじゃないか!!こう、あれだ、波には乗っとけみたいなのあるだろ!?」
「……知らん。」
「乗っても、落ちたら格好悪いよね。」
「誰にも言わず、一人で強引に押し進めるというのは如何なものかと思いますが?」
「いや、言ったら、今日のそれが成り立たなくなるだろっ!?」
「ほーん‥で?」
薬研、この野郎!と、ソファーに飛び込む鶴丸。それを見ながら笑う主の耳に囁く。
「主、さっきの嘘も嘘なんです、って言ったら驚きますか?」
「…嘘が嘘?え、待ってどこからどこまでが嘘だったの?本当があるの?混乱してきた。」
「嘘も方便と言いますからね。」
えぇ??と、眉間に皺を寄せた主の頭を撫でる。