第88章 四月一日
「そう言う訳だから、今日はもう休めよ?片付けなら俺達に任せとけ。さ、行った行った!」
燭台切や薬研達も知らなかったんだろう。驚いた様に鶴丸に詰め寄り、うとうとしていた一期一振と大倶利伽羅が目を擦りながら顔を上げる。
「さっさと行けよ、寝不足はお肌の大敵なんだぜ?」
笑いながら、未だ状況が飲み込めていない俺と主の背中を押して、部屋へと追いやる。
ゆっくり休めよ?と、主の後ろからそう囁くと扉を閉めた。
「ちょっと鶴さん、何今の!?」
「あの‥鶴丸殿?一体何が?」
話し声と足音が遠ざかって行く。
「…あ、主?」
「え、嘘、だよね‥?」
立ったまま床を見詰めた主が、訳が解らないという様な声で呟く。
鶴丸の奴、どういうつもりだ?