第86章 来歴
「一期、大丈夫だよ?心配かけてごめんね。そうじゃなくて、極の修行へ行く子が増えるとさ、嬉しいけど何か寂しいなって。」
「そうでしたか‥私の勘違いで良かった。」
にっこり笑う一期が頭を撫でる。
「弟達は、主殿の為に更に強くなりたいと望んでいました。薬研もそうでしょう?」
「あぁ、強くなって大将を守りたいと思った。だから寂しがらないで待っててやってくれよ?」
そんな寂しい顔をされるより、楽しみに待っててくれる事が嬉しいんだからな?と、私の頬を引っ張る。
「うん、ごめんね。…あ、そういえば極の子に送る物は決まったの?昨日は見てきただけみたいだったけど。」
「あぁ、決まったぜ?」
「送るなら近く極になる弟達の分も、と思って昨日は見るだけにしたんですよ。」
ね?と顔を見合わせて笑う二人。