第85章 暦
「「…おや?どちらへ行かれるのデス?」」
「「は?うわっ!?」」
「「ぎゃあぁ!ガチムチ!!!」」
ぶわっと本丸側が紫色に染まったかと思うと、二人の肩に手を置いた大男が立っている。
「と、蜻蛉切その辺に居ない!?早く来て!‥お巡りさんこいつですぅ!村正だぁ!!」
「「おや、ご存知でしたか?huhuhu、ワタシは千子村正。妖刀とかいわれているあの村正デスよ。huhuhu…」」
「お!?何だ、何だ?ははっ、こりゃ驚きだぜ!!」
ベッドから飛び下りて走って来た国永がずいっと覗き込む。
「「この箱の向こうにも何人か居るのデスね、なら大丈夫デスか。余りに城内を苦無苦無言いながら走り回っているのが聞こえたので、何事かと気になって出てきてしまいましたよ。huhuhu。」」
にっこりと怪しげに笑う表情に鳥肌が立った。