【黒子のバスケ】 囚われ王女と獣の城 【裏夢R18】
第13章 独占
貴女「んっ…」
私は朝の日差しで目覚める。昨日はあんなに雨が降っていたなんて思えないくらいの眩しい光だ。
黒子「おはようございます。姫…」
貴女「あ…おはよう。」
黒子君が後ろからそう声をかけた。彼がずっと後ろから抱きしめてくれたおかげで寒さは感じなかった。
貴女「起きてたのね…起こしてくれても良かったのに。」
黒子「いえ、僕もさっき起きたばかりですから。」
貴女「そういえば、そろそろ騎士の鍛錬が始まるんじゃない?」
私は立ち上がろうとするが、黒子君の腕の力が強くなった。
黒子「…待ってください、もう少しだけこのままでいさせてください…」
貴女「…」
私は昨夜の出来事を思い出し、顔が熱くなるのがわかった。
黒子「…貴女はとてもいい香りがしますね、この香りに包まれていると…よく眠れたんです。」
貴女「っ…」
黒子君は私の首筋に顔を埋めた…
黒子「…ありがとうございました、もういいですよ」
そういうと彼は私から離れ立ち上がると、手を差し伸べた。
貴女「あ…ありがとう。」
手を握り引き上げられた途端、カチャッという音が聞こえた。
貴女「えっ?」
咄嗟に音のなる方を向くと眠そうな顔をした紫原君が立っていた。
紫原「あれぇ?こんなところで何してるの?」
黒子「紫原君…助かりました。昨日から閉じ込められていたんです。」
冷静な黒子君に少し驚いたが何よりも紫原君が現れたこと自体が疑問だ。
貴女「どうして…ここに?」
紫原「うん、ここには赤ちんが用意したまいう棒があるんだー。それを食べに来たってわけ」
(まいう棒って…そういえばこの部屋、紫原君は入っていいんだったわね…)
紫原「大変だったねー、はいあげるー。」
紫原君に差し出されたのは「伝説のまいう棒」とかかれたお菓子だ。
黒子「紫原君、君がお菓子を人にあげるところなんて初めて見ました。」
紫原「だって王女様かわいいから〜。黒ちんにはあげないよー。」
何はともあれここから出られそうでよかった。私は紫原君に密かに感謝した。