【黒子のバスケ】 囚われ王女と獣の城 【裏夢R18】
第16章 逆襲
〜赤司side〜
周りは爆発によって騒がしく皆パニックを起こしている。僕はひたすら階段を降り、一階の図書室へと急ぐ。
赤司「頼む…無事でいてくれ……」
#NAME1#の無事を願い気持ちが焦る。
そしてやっと辿り着いた図書室では既に最悪な光景が広がっていた。
赤司「灰崎…!」
そこには気を失っている#NAME1#と彼女を抱えている懐かしい顔ぶれがあった。
灰崎「よぉ、久々だな赤司」
灰崎は僕を見てニヤリと笑みを浮かべ、窓から外へと逃げようとしている状態だった。
赤司「っ…待て!彼女に手を出すな!」
灰崎「じゃあな」
そういうと剣を抜く前に灰崎は#NAME1#を連れ一瞬にして窓から姿を消した。外に馬でも用意していたのだろう。
彼女と灰崎の気配は嘘だったかのように跡形もなく消えていた。
黒子「赤司くん!!」
背後からテツヤの声が聞こえた。
黒子「爆発があったから姫が心配になったので様子を見に来たんですけどどこにもいなくて…どこにいるか知ってますか?」
赤司「いない…」
黒子「えっ?」
赤司「灰崎に拐われたよ今さっき…僕の目の前で」
テツヤには背を向けているので顔は見えないがきっと真っ青になり目を丸くしているのだろう。
僕の体はスッと軽くなったような感覚に見舞われ、振り向くような力すら出ない
するとテツヤの気配が近づいてきて、勢いよく振り向かせられた。
黒子「どうして…どうして阻止しなかったんですか」
いつものテツヤらしくない。気性が荒く取り乱し、睨み付けるように僕を見る。
赤司「離せ…」
黒子「っ…」
テツヤは弱々しく離し下を向き唇を噛み締めている。
こんなにも自分に余裕がなくなるとは思わなかった。なんなんだ…この気持ちは……まるで僕の一部分が消えてしまったかのようだ
だが…
手からこぼれてしまったものは…
赤司「…取り返す、絶対に」