第93章 またこの場所で
Sサイド
僕のナカに入った智くんの指が、ゆっくりと動いていく。
後ろの蕾に指を入れるなんて自分でもしたことがないし、恥ずかしい気持ちがないわけじゃない。
痛みだってある。
だけど…
それでももっとしてほしいって思うのは、相手が智くんだからなんだろう。
「少しずつ柔らかくなってきたよ」
「う、ん」
指が2本に増やされた時にはもう、智くんのモノを入れてほしくてウズウズし始めた。
「ね、智くん…」
「ん?つらい?」
「ちが、くて…」
「翔くん?どうした…?」
指を抜き、心配そうな表情をしてくれる智くんに、何だか申し訳ない気持ちになってくる。
だけど、言わなきゃ伝わらないことだってあるんだ。
「あのね……れ、て…」
「ん…?」
「だから…」
智くんが僕の言葉を待ってくれている。
そのすごく優しい表情にドキッとしたら、僕の後ろの蕾がキュッとしまった。
「智くんのを…挿入れてほしい…」
僕の言葉に、智くんがうん、うんと小さく頷き、僕の膝裏に手を入れた。
丸見えになってたっていい。
智くんを感じたいって思った。
智くんのモノが後ろの蕾にあてがわれ、少しずつナカに入ってくる。
圧迫で苦しいけど、智くんの温もりを感じたら…
ちょっぴり涙が滲んできた。
おじいさん…
僕ね。
おじいさんと智くんが仲良さそうにしてるとこを見てさ。
心の中でぷぅってヤキモチ妬いてた時がね、何度かあったんだ。
智くんは僕のこと、ずっと好きでいてくれてたのにね。