第90章 My Angel
櫻井さんの中心を扱いていた手がヌルッとしている。
これを使ったら滑りやすくなるかも…。
いま入れている指を一旦抜き、ヌルヌルを塗り込んでから再びナカに入れた。
指を動かす加減がよく分からない。
とにかく傷つけないように…痛みを少なく…と思いながら、ゆっくりと解していく。
「ん…くっ…」
自分の体を支えている櫻井さんの腕が徐々に下がっていき、上半身ごと僕に凭れた。
「重くてごめん」
「ふふっ。知ってます」
「あはは。そう、だよね。はぁ…はぁ…」
ここに荷物を運んできた日のことを思い出しつつも、櫻井さんの息づかいから、あまり余裕がないのを感じた。
「体の向き、変えますね」
「ん、んあっ…」
僕は横向きになり、櫻井さんを後ろから包むような体位に変えてみた。
櫻井さんの顔は見えないけど、目の前にある首筋からなだらかな肩にかけてのラインが色っぽい。
後ろの口に指を入れたまま、思わず首筋にちゅっと唇を当てると
「ひゃっ…ん」
可愛いです、櫻井さん。
ナカもだいぶ解れてきて、指を2本に増やした。
「んっ…はぁ…」
「痛くないですか」
「だい…じょ、ぶ。もっ…いれ、て」
…ドキドキした。
中心もおかしいくらいに反応してビクンと動く。
「いい、の?」
「はや、く…おね、がい」
少し掠れ気味の声から発せられる言葉に、胸が弾んだ。
まるで羽のように隆起している櫻井さんの背中にキスを落とし、再び体の向きを変えた。
僕を見上げる櫻井さんが、はぁ…はぁ…と呼吸を整えている。
落ち着くのを待っていようと思っていたのだけれど…
「大野の顔が見れた」
ニコッと嬉しそうにしながら僕の首に腕が回ってくる。
僕も…もう、耐えられないです。
櫻井さんの膝裏に腕を入れ、後ろの口に僕の中心をあてがった。
「いれますよ…」
コクンと頷いた櫻井さんに向かって、僕は腰を進めていった。