第78章 夢の続き
余韻に浸りながら、呼吸を整える。
熱を放ちはしたものの、全身が感じやすくなっているのだろう。
触れている大野の手や足が動くだけで
「あんっ」
自然と声が漏れてしまう。
「ふふっ。まだ足りない?」
ん?と首を傾げる大野は、赤く上気した肌と汗が色っぽさを増していて。
俺の下腹部がまた疼いた。
「足り…ない」
言ってはみたもののやっぱり恥ずかしくなって、大野肩をキュッと掴んだ。
「俺も足りない…」
キスを合図に、俺たちは再び体を重ねた。
髪を撫でてくれる大野。
その暖かい胸に抱かれながら大野をチラッと見る。
「んふふ。どうしたの?」
「ううん、何でもない」
こんなやり取りだけでも、幸せな気持ちでいっぱいになる。
「翔のこと、もっと好きになった」
「俺も智のこと、もっと好きになった」
体を伸ばして、大野の唇にちゅっ。とキスをした。
「俺さ…」
大野を手を握り、綺麗な瞳を見つめた。
「仕事の時は…ね、やっぱり構えてしまう部分があるかもしれないけど…」
俺の背中を擦る大野の手の温もりにジーンとする。
「智の前ではさ…」
「甘えていいよ、翔…」
ふふって笑いあいながら、額をくっつけあった。
今までは、ふにゃんと可愛らしい顔を見るだけで癒されていたけど…何だか夢みたいだ。
いや、心のどこかでは願っていたのかもしれない。
「智も甘えていいから…」
「じゃあ、そうさせてもらおうかな…」
妖艶な笑みを浮かべて、大野が俺に覆い被さってきた。
「さ、智っ」
2回して、さすがに腰にきてるから焦ってしまう。
「こうしてるだけだから…」
大野は目をキラキラさせながら、俺の胸に顔を埋めた。
時々チラッと俺を見る。
その姿が愛しくてたまらない。
「智、おいで…」
俺は大野の背中をギュッと抱きしめた。
END