第71章 入所記念日2017
朝目覚めると、枕元にメモ書きが置いてあった。
見覚えのある字。
『智くん
10月16日の昨日、入所23周年おめでとう。
一緒に過ごせなくてごめんね。
俺の入所日10月22日も特番があるから…
ごめんね。
出逢えたことに感謝してます。
智くん、大好き。愛してる。
翔より。 』
翔くん…。
俺は、胸の中にいる温もりをギュッと抱きしめた。
「ん…さと…く…?」
「しょーくん、おはよ。」
「おはよ…」
寝起きのぽわぽわしてる翔くんが見れるだけで、幸せな気持ちになる。
「帰ってきたの、朝方でしょ。まだ眠ってていいよ」
「うん…ありがと…」
あ〜可愛い。
「さと…見た…?」
「うん、読んだよ。ありがとね」
「うん…」
翔くんも俺をギュッと抱きしめてきた。
あったけぇなぁ。
会えないのはさみしいけど、仕事があるのは嬉しいことだから。
22日はテレビつけて見守ってるね。
翔くんと俺は、いつだって気持ちは繋がってる。
だから、大丈夫だよ。
俺は目の前にある、昔から変わらない翔くんのまぁるいおでこにちゅっとキスをした。
俺の入所日に毎年贈られる、翔くんからの手紙。
23枚目の今回は…
ふふっ。
“愛してる”だって。
俺の胸はキュン…とくすぐったい気持ちなった。
END