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キミとボク【気象系BL】

第1章 翔くんのお誕生日


(Sサイド)

朝…暖かな温もりと甘くて優しい匂いを感じて目が覚めた。

「あれ…?さと、くん?」

ベッドには俺を包むようにして眠っている智くんがいた。

状況がよくわからなくて…。

でも智くんの温もりをもっと感じたくて、俺も智くんの背中に腕を回し、大好きな人の顔を見つめた。


「…んん…あ…しょお、く…おあよぅ」

「おあよぅ、って…ハハハ。おはよう、智くん。あなた、いつのまに来たの?ってか、釣りは?」

「あんねぇ…、今日は雨だから」

耳をすますと、たしかに雨音がしている。

「ごめんね、てるてる坊主の効果がなかったんだね…」

不器用な俺が作ったてるてる坊主じゃダメだったかぁ。

申し訳なくて、ため息が出た。

「違うよ、翔くん。効果はバッチリあったから!ふふふ」

雨で釣りに行けなかったのに、智くんはニコニコしている。

なんで?どうして?って、俺の思考回路はグルグルグルグル…。


「翔くん。てるてる坊主、見てみ?」

智くんに言われて、昨夜作って吊るした“てるてる坊主”を見ると…

えっ?えっ?

「ふふ。てるてる坊主ね、“逆さ”にね、吊るし直したの。ね?効果あったでしょ」

「なんで…どうして…?あんなに釣り楽しみにしてたのに」

「ふふふ。あのね…」

体を起こしてベッドに正座した智くん。

俺も同じように正座した。


「翔くん、今日1日オフになったんでしょ。俺ね、翔くんが大好きなの。釣りよりも翔くんのほうが大切なの」

「智くん…」

「だからね…櫻井翔さん」

「あっ…はい」

突然のフルネーム呼びにドキドキする。

「俺、大野智に…翔くんの35歳の誕生日を1日くれませんか?一緒に過ごしてくれますか?」

「はい!一緒に過ごそう、智くん!」

「翔くん、お誕生日おめでとう。生まれてきてくれてありがとう。大好きだよ」

「俺も智くんが大好き。生まれてきて、智くんと出会えて良かった。本当に大好き」


ちゅっ。


抱きしめあって、どちらからともなくキスをした。








「ハァ…、翔…イイ?」

「…キテ、智…。あっ、んっ…」


俺たちの動きに合わせて、てるてる坊主も揺れていた。



END





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