第5章 儚い夢の先に
んふふ。
お日様がポカポカしていて気持ちいい。
この時間のお昼寝は、窓際がベストポジションなんだ。
でもね…
大好きな翔くんが眠っているソファーは、日陰になってしまう。
あっ…
横向きで寝ている翔くん。掛けていたブランケットが、スルリと下に落ちた。
ふふっ。翔くん撫で肩だからなぁ…。
オイラは窓際から離れ、ブランケットを口にくわえて翔くんに掛けてあげる。
だけど…
ブランケットが大きくて、なかなか上手く掛けてあげられない。
「…んっ…サトシ…?」
翔くんは薄目を開けながらオイラの名前を呼ぶ。
んふふ。やっぱりイケメンさんだなぁ。
「おいで…。」
ヒョイッとオイラを持ち上げて、優しく抱きしめてくれた。
“トクン…トクン…”
翔くんの心臓の音が心地いい。
「あったかいなぁ、サトシは。」
うん、オイラもあったかいよ。
「後でミルクあげるからね…。」
ありがとう。翔くんの掌でペロペロさせてね。
翔くんはムニャムニャしながら、また眠りについた。
翔くんの温もりに包まれて、オイラも眠くなってきたよ…。
…ねぇ翔くん。
来世はさ、翔くんと同じように生まれたいな。
大好きだよ…。
「ミャァーン…。」
~黒猫サトシ~
END