第29章 素直に言えなくて
(Sサイド)
先走りを指に絡めた智くんの指が、俺の後ろの口の回りを撫でる。
久しぶりの感触に、ゾワッとした。
智くんの指が、ゆっくり俺の中に埋められていく。
「んあっあっ…。そこ…ダメぇ。」
いいところを掠められると、身体がビクンと跳ねてしまう。
俺の反応を見て、智くんは口角をあげてニヤッとするんだ。
そんな表情もカッコよくて。
つい見とれて油断している間に、指を2本…3本…と増やされた。
グチュグチュと中を広げられる音に、身体が刺激される。
早く…智くんのがほしい。
智くんがゆっくり指を抜いた。
俺の前髪をかきあげ、おでこにキスを1つ落とし、唇に深いキスをしてくれた。
「翔くん、いい?」
「うん。キて…。」
智くんのモノが俺の後ろの口にあてがわれ、ゆっくり入ってきた。