第29章 素直に言えなくて
(Oサイド)
翔くんの手が、俺の両肩に添えられる。
「何だよ、今日は甘えたい気分なの?」
「そうだよ。智くんだって同じでしょ。」
「んふふ。」
啄むようなキスを繰り返す。
翔くんの目がトロンとしてきて可愛い。
カッコいいのに綺麗で可愛いくて…
どれだけ見てても一緒にいても、
翔くんの全てが俺を虜にするんだ。
俺は右肩にあった翔くんの左手をそっと外した。
翔くんの大きな手を見つめた後、指を1本ずつ舐めていき、甲にも数回キスをした。
翔くんの顔、目、唇、手…俺の中で鮮明に色濃くなっていった。