第27章 仲直りは…
「もう、智くんなんか知らない!」
翔くんが怒って楽屋を出ていった。
俺は手の中にある割れたストラップの欠片を見つめた。
事の発端は、テーブルに置いてあった翔くんのカバンを落としてしまったこと。
翔くんがカバンに付けていたストラップが割れてしまったんだ。
翔くんは大切なものに触れるように、欠片の1つ1つを集めていた。
その時も、翔くんは俺を咎めるようなことはしなかった。
だけど…
「今度、同じの買ってあげるよ。」
俺が発したひとことで、翔くんの表情がみるみる変わっていったんだ。