第3章 rainy
俺は恋をしたことがなかった。
仲間と馬鹿やって
部活に一生懸命になって
それだけで充実してた。
だから彼女が欲しいとかそんなことは思わなかった。
でも、気づいた。
俺は椿が好きだ。
なんて言ったらいいかよく分からない。
どんな風に表現すればいいか知らない。
でも、好きだ。
それだけはよく分かる。
この前貰ったラブレターの返事はちゃんと断った。
俺みたいな奴を好きだと言ってくれたのは嬉しい。
それに勇気だって必要だったはず。
だから、誠心誠意で返事をした。
その子は泣いていた。でも、笑ってた。
その笑顔が強がりなのか本心かは分からない。
いや、おそらく強がりだと思う。
そんな彼女を見て俺も伝えなきゃいけねえ。と思った。
初恋は実らない?そんなの知るか。
俺がいくら悩もうと
結局答えを出すのは椿だ。
早く伝えねえとな。