第10章 coffee
今日は卒業式だけど
東北の方はまだまだ気温が低くて
桜が咲きそうにない
天気は曇りだけど
まだ雨が降らないだけマシだと思う
先輩に想いを伝えようか迷いに迷って
この日まで来てしまった
悩んだ結果は
"告白する"
でも手紙は使いたくなくて
どうしても直接言いたかった
卒業式が終わって
先輩に告白しよう!って意気込んでたけど
実際には卒業生が退場した後
在校生はSHRがあって早く教室から出たい一心だった
SHRも終わり
急いで菅原先輩を探しに行く
事前に連絡できたらよかったんだけど
連絡先は知らないし
会うこともなかったから
少し不安ながらも先輩を探していた
菅原先輩は見つからなかった
後でほかの友達に聞いたら
部活に所属してる人は
部員同士で集まって送別会をするらしい
私は部活に入ってなかったから知らなかった
……知らなかった
伝えたかったのに
ちゃんと伝えたかったのに
振られるのは覚悟してた
そんなに接点無かったし
脈があるとも思えなかったから
でも菅原先輩の笑顔を思い出すたび
菅原先輩が好きな気持ちがいっぱいいっぱいに溢れて
もう振られてもいい
どうしても伝えたいと思った
……好きなんです
菅原先輩が好きなんです!!!
溢れた想いは止まることなく溢れ続けて
涙になって私の袖を濡らした
結局想いを伝えることができないまま
今日が終わった
家に帰っても散々泣いて
次の日、目を腫らして学校へ行った