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ゆりかご 【黒執事 R18‐G】

第8章 不可逆




「っく、ふ、……ふふ――――――、あはははははは!!」
 それが―――――その呆気無い終わり方が、どうにも滑稽で、我慢できなかった。そうだ。そうだった。私だって、本当は“あの時”、こんな風に呆気無く、散りゆく運命だったんだ。それを思うと、笑わないではいられない。私は、今しがた焼け死んだ蝶々みたいに、狭いところで散々な目に遭わされて、死ぬ間際まで追い詰められたのだ。いや、私は、あの時セバスチャンと契約しなければ、間違いなく死んでいた。あの小さな部屋で、何もできずに、たったひとりで。

「あははははははは……! もう、誰ひとりだって、逃がさない!」















――――――――見上げた月は、紅かった。
























『第8章 了』
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