第7章 凌辱 ~後編~
「あ、胸はしばらくお預けね? もっと、焦らしてからにする。」
そう言って、私はカッターナイフを右手に握り直し、左手に金本マオの手を取った。そのまま、金本マオの左手を床に押し付け、動かないようにしたところで、右手のカッターナイフを振り下ろした。
「ぎ……!?い、っ……!?」
カッターナイフは、金本マオの左手に命中し、そこから鮮血が流れた。引っ込めようとする手をさらに抑えつけて、指にも幾らかの傷を付けた。
「マオさん、色が白いから綺麗。」
私は、興奮を抑えながら、微笑みかけた。
「流石、以前に性行為を主題にした商業用動画に出演されていただけはありますね。」
「あれ? そうなの?」
セバスチャンの口から、面白い事実が零れ落ちたのを、私は聞き逃さなかった。セバスチャンが言うのだから、間違いなく事実なのだろう。
「へぇ~……。確かに、男性ウケしそうな容姿だもんね。色気もあるし、分かる気もする。」
私は、改めて金本マオの肢体を見た。
「別に、私はそういうの、よく知らないから。どうでもいいよ。それに、そんなこと知ったところで、アンタの運命は変わらないし。」
私は、血塗れのカッターナイフを、手指から腕へと移動させた。刃先で何度か腕を撫でてやれば、浅い切り傷が浮かび上がって、白い肌の上を彩った。白い肌の上に、赤い糸が紡がれるようで、これはこれで美しいと思えた。ただし、この糸は、運命は運命でも、死の運命にしか、繋がっていないのだけど。
「あー……。もっと、シていい?」
「は……?」
金本マオは、痛みを堪えるようにして、浅い呼吸を繰り返している。私は、そんな金本マオの様子など意にも介さず、カッターナイフを軽く握った。金本マオが浅い呼吸を繰り返すたびに、私は興奮で息が荒くなっていく。