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ゆりかご 【黒執事 R18‐G】

第2章 契約 ~後編~


 その日を境に、私は無気力な引きこもり生活者になった。いや、もう仕事もしていないのだし、再就職するだけの気力も持てないのだから、ニート兼引きこもりとでも呼ぶべきなのかもしれない。どちらにせよ、何もする気が起きない。私はひたすら、眠って暮らした。最低限の水分をとって、買い置きの食料をつまみ、最低限の排泄をし、また適当に眠る。それを繰り返すだけの日々だった。洗濯やシャワーは、ほんの少し気分が良いときに、少しだけ。多少気分がマシなときには、閉店間際に近所のスーパーへ買い出しに行って、買い置きのできそうな食料を買って、また引きこもる。そんな生活が、半年間も続いた。でも、そんな生活が、これ以上続くはずもない。収入がゼロなのだから、必然的に貯金を切り崩して生活するしかなかった。しかし、そんなに多額の貯金があったわけでもない私だ。残高も、底を尽きてきた。このままでは、あと2か月もしないうちに、家賃や電気、水道料金諸々が払えないという状況まで追い込まれている。普通のアタマなら、ここで再就職なり、アルバイトなりを探すという選択を取るはずだ。でも、もう私の脳は、そんなことも考えられない。

 ふと、魔が差した。
 なんで、私ばっかり、こんなメに遭わないといけないの?
 私をこんなところまで追い込んだ、あの女共と、あの男は、今日もきっとのうのうと暮らしているのに?






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