第24章 こんにちは、フィクション。③
"超高校級のクラフトワーカー"だと。まさに私が面接で説明した小説の主人公の才能そのままだ。
ダンガンロンパは本当に私の要望を丸めて聞いてくれたみたいだ。
よくよく思い出してみると、参加者が17人なのもあの夢小説と同じだ。
だけど、心配がある。それは私が裁縫や手芸が出来ないということだ。
せいぜい出来てボタン付けくらいだけど、それもお粗末なものだ。
他の人たちは人格が変化させられてるから才能もある程度補助してもらえてるだろうけど、私の身には特に何も起こってないから凡人のままだ。
辛うじて好き嫌いは自分と同じだけど、その他は多少異なるからプロフィールと私自身の違いでいつかバレてしまいそうだ……。
『……まぁ、いいや。』
モノパッドをスリープモードにして枕元に置いた。
とにかく自分の名前と才能が分かったんだから、これで自分のことを訊かれても困らずに済むんだ。
不安もあるけど安心の方が大きい。
私は少し落ち着いた心地で就寝の準備をした。