第1章 はじめに
火星
地球に住む私たちにとっては未知の世界
しかし最近では火星移住計画も出るほど
地球にとっては1番身近な惑星となっていた。
マイナス何十度という極寒の火星を
少しでも人が住める環境にする為
火星の地表に凍りついて埋まっている二酸化炭素を
溶け出させて温度を上昇させる作戦に出た。
これをテラフォーミング計画という。
どうやって温めるかというと…
火星に「コケ」と大量の「ゴキブリ」を
撒くことだった。
そんな中、地球に突如現れた原因不明の病気があった。
かかってしまえば100%死ぬ…
いまだ解決策が見当たらぬまま
死亡数は着々と数だけ伸ばしていく。
そのウイルスの名は
「A・Eウイルス」
そのウイルスのワクチンを求め
人々は火星探索に力を入れていた。
各国に拠点のある火星研究の本部
「U-NASA」は
火星探索の協力者として人を募集していた。
火星でも活動できる体になるように手術を
行うのだが…
なんと成功率は40%にも満たない。
手術を受けても半数は死んでしまうのだ。
そのせいか高額な報奨金を出しても
なかなか人は集まらなかった。
だからなのか
希望者の多くはお金に困っている貧困層や
生きる希望を捨てている者
が目立って多かった。
中には子どもや親しい人がA・Eウイルスにかかってしまった為
自らワクチンを見つけに火星に行く者も。
U-NASAで手術の説明をされた者は
みな唖然とする。
その手術とは
言ってしまえば人体改造。
人間の体に昆虫や動物の遺伝子を組み込む手術だった。
そうすることで組み込んだ昆虫の特性や力を
人間でも扱えるようになるとのこと。
しかしなぜそのような手術が必要なのか…
それは、テラフォーミング計画の際に
大量に火星に放ったゴキブリが
過酷な火星の地で何百年という年月をかけ進化し
なんと人間大の大きさになっていたからである。
人間がゴキブリを見たら訳もなく殺すのと同様
やつらも人間を殺しにかかってくる。
手術は、それに対抗する為に必要なものであった。
そして手術に成功した人々は
新たな力を手に入れ
アネックス1号へと乗り込み
ワクチン探しとゴキブリ退治の為に
火星へと旅立つのであった。