第24章 Wedge of the love~謙信VS光秀~
朝方、麝香の香にあてられたリオが気を失って意識を手放し、そのまま寝息を立て始めたのを確認してから、一人謙信は部屋を出た。
目が覚めた時のリオの姿を想像すると
くくっと思わず笑みが漏れる。
ふと、気配を感じそちらを見れば、丁度部屋から光秀が出てくる所だった。
言葉をかけるでもなく、すれ違えば
光秀の鼻を擽る、麝香の匂い
歩みを止め、光秀が謙信を呼び止めた
「いざとゆう時が来たみたいだな、お前は、あてられなかったのか?」
「リオにあれを渡したのはお前か」
にやりと光秀が口の端をつり上げる
「あの手の戯れは程が過ぎる。お前達の主に伝えろ、今日安土に帰るつもりであろうが、あやつは動けん」
「ほぉ....リオには相当だった様だな」
信長には叱られるであろうが、光秀は嬉しそうだ
「全く、安土城の奴等は底が知れぬな、暫く滞在した後、大人しく安土に帰すと思うか?」
ふふん、と鼻をならし
「それはリオが決める事だ、好いた男と一緒に居たくても、奴がほいほいとそれに乗るとは思えん」
「いずれ、奪う」
「受けて立とう」
にやりと笑いあい
背を向けた二人
そんなやり取りを知りもしないリオは
深い深い眠りの中........