第6章 マイ・スイートハート ※【赤葦京治 続編】
すぐ目の前に京治さんの顔がある。
その瞳で見つめられると、優しさに包まれているみたいで安心する。
「京治さん…」
私から、唇に吸い付いた。
すぐに受け入れてくれて、濡れた舌と舌が絡まる。
その間にも、京治さんの腰は私のナカをゆるゆると突いて…
「あっ…」
さっきとは当たる場所が変わり、また情欲に溺れてしまう。
「すご…、締まるね…」
「っ、奥、もっとぉ…」
恥じらいも忘れ、自分でも腰を揺らしつつ懇願すれば、途端、激しく杭を打たれた。
「…っ!…ぁああっ」
されるがままの私は、京治さんの体にしがみつくことしかできない。
大きな波がすぐそこに迫ってきて、もう…
「ん、だっめ、イッちゃ…」
「はぁ…、俺も、ヤバ…っ」
「すきっ、けぃ、じさ…っ」
「汐里っ、好きだよ…」
初めて知る京治さんの切な気な瞳と、少し上擦った声。
意識の真ん中に愛しい人の姿を焼き付け、揺さぶられるまま体を預けた私。
昇り詰めるまでずっと、ただひたすら想うのは京治さんのことばかり…。
その瞬間を一緒に迎えられたのかは、よく覚えていない。
けれど蕩けるほど甘い世界に浸った私たちは、ひとつになったまま、いつまでも抱き締め合った。
心地よい微睡み。
京治さんの腕に抱かれて寄り添い、ウトウトしかけた時だった。
「汐里。俺のことずっと好きでいてくれて、ありがとう」
耳元で、ふいにそんな声が聞こえる。
視線を上げてみれば、そこには確かに私を見つめる京治さんの瞳。
大きな手に髪を撫でられる。
「…ううん、私、ただしつこかっただけで…」
「じゃあ、しつこく好きでいてくれてありがとう」
「わ…イジワル…」
冗談めかしたその言い方に、思わず頬を膨らませてしまう。
そんな私を見て小さく笑む唇からこぼれたのは、心を震わせる言葉。
「これからは俺が汐里のこと、ずっと好きでいるから。しつこいけど、覚悟して?」
―――涙が溢れそうになった。
付き合って間もないのに、京治さんがくれる愛情で、もう胸がいっぱい…。
新しい二人の、始まりの夜。
幸せと温もりを抱き締めながら、一緒に夢の中へ。