第5章 glass heart【赤葦京治】
*夢主side*
恋をしたら、誰もがキラキラ輝けるんだと思ってた。
楽しそうに彼氏の話をする友達みたいに。
街中を行き交う恋人たちみたいに。
恋愛映画の二人みたいに。
でも、大人になるにつれ、そうじゃないと知る。
辛くて、切なくて、苦しくて、潰れそうな気持ちを抱える恋もある。
もし、そんな恋をしてしまったら。
張り付けた笑顔や、何も知らない素振りや、強がった建前で、自分を守るしかない。
みんなそうだった。
私も
赤葦さんも
ツッキーも。
ガラスみたいに
儚く壊れてしまいそうな脆い心を
自分自身で、必死に守っていた―――。