第4章 甘いキスを教えてあげる ※【大将優】
「優さーん、見て見て!」
食後洗い物を済ませた俺がキッチンに立っていると、紗菜ちゃんがそばにやってきた。
「今日の戦利品!」
その体はライトグレーのニットに身を包んでいた。
今日の昼間は二人でショッピングに出掛けたのたが、何を買ったのかは断固として教えてくれなかったのだ。
「優さん、こういうの好きかなって思ったんだけど…」
うん、確かに好きだ。
鎖骨が見えるくらいまで首周りが開いていて、薄手のリブ素材が色っぽい。
「大人っぽいね。すげー似合ってる」
「本当?嬉しい!今度のデートで着よっと」
俺の言葉で顔を綻ばせる紗菜ちゃん。
でもニットって、物によっては何かエロいよな?
だってほら、体のラインがよくわかる。
実際、紗菜ちゃんの胸が強調されて…
「優さん、今胸見たでしょ?」
紗菜ちゃんは見透かしたようにそう言い、上目遣いになる。
「はぇ!?みっ、見てねぇ…っ!
……………見ました」
素直に白状した途端、その顔がイタズラっぽく笑う。
「私、優さんの彼女だよ?いくらでも見ていいのに」
「……そうだね」
「ほんとムッツリなんだから」
「ムッ…!?ムッツリじゃねーし!」
「ムキになるってことは、自覚アリなのかな~?」
「んなこと言ってると、これやんねーぞ!?」