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フォンダン・ショコラ【ハイキュー!!】

第2章 この腕の中の君 ※【黒尾鉄朗 続編】



でも、そんな時に限って顔を覗き込んでくるのがてっちゃんなんだよね…。

「なーに照れちゃってんのォ?」

例の、からかうようなニヤリ顔。

「だって…」

モゴモゴと口ごもる私に、更に追い討ちをかける。

「手ェ繋ぐくらいで照れてて大丈夫?夜は長いぜ?」

「……もぅ……そゆこと、言わないで……」

繋いだ手に心持ち力を込める。
暗くてよかった。
今絶対、顔赤い……。



初めててっちゃんと肌を重ねた夜は、すごく刺激的で幸せで…。
しばらくは、思い返すたび妙な気分に陥ってしまった。

こんなことばかり考えてるって知られたら、またからかわれるかな。
それとも、喜んでくれるかな…。





熱を持ちながら到着したてっちゃんのアパートは、ワンフロア二部屋ずつの三階建て。
駅が近いことと、角部屋が良かったことで決めた部屋らしい。
てっちゃんの部屋は三階。
階段を昇って、てっちゃんが鍵を開ける。

「どうぞ」

「お邪魔します」

てっちゃんの後ろから玄関に入って、私は鍵を閉める。
改めて向き直ろうとすると、長い腕が伸びてきて……

私の体はその胸の中に閉じ込められた。


「すっげー、会いたかった」


トーン低めのてっちゃんの声。

ふざけてなんかない。

ああ……よかった。
嬉しい。
私だけじゃなかった。


「私も……会いたかった」


同じようにてっちゃんの体に腕を回して、ギュッと力を入れる。

心臓の音が加速していく。
ドキドキする……体が熱い……。

体を捩って、てっちゃんを見上げてみる。
もう少し触れたくて、堪らない。



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