第1章 近くて遠い君 ※【黒尾鉄朗】
思わず口からこぼれた本音。
てっちゃんはニヤッと笑った。
「気持ちいいの?…じゃ、こっちも」
反対の胸も同じように、丁寧にほぐされてく。
「やぁ…っ、ハァ…」
恥ずかしい声がいっぱい出ちゃう。
けど、こんな攻められ方されたら、隠しきれない。
私の息が上がってきた頃、てっちゃんもTシャツとスウェットを脱いだ。
てっちゃんの裸なんて、初めて見る。
細身だと思ってたのに、腕とか筋肉凄くて、しっかり腹筋も割れてる。
まるで、テレビで見るアスリートみたい。
この体に……抱かれるの……?
私が見惚れているのを知ってか知らずか、その体は私の上に覆い被さった。
胸元からおへそへ向かって柔らかなキスが下りてきて、体はピクピクと震える。
お腹まで辿り着いたら今度は太ももに。
唇が少しずつショーツの際へ近づいて……
これ以上は……
もう、ダメ……。
「てっちゃん………電気、消して……」
明るいところでこれ以上は……。
「嫌?」
「……恥ずかしい」
「梨央ちゃんのココ、どうなってるか見たい…」
そう言って、下着越しに秘部を撫でられる。
「あ…」
濡れてる……。
足を動かすと、ショーツの中が滑ってるのがわかる。
こんな状態……明るいとこで見られちゃうの?
ダメ……!
やっぱり恥ずかしい……。
「明るいのは……嫌…」
「ん……わかった。じゃ、消すぞ?」
ピッという電子音。
人工的な光は失われて、こぼれるのはカーテンの隙間から注ぐ月明かりだけ。
「!?」
そんなぼんやりした視界の中で走った快感。
てっちゃんの手が、ショーツの中に差し込まれた。