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威 風 堂 々【文豪ストレイドッグス】R18

第46章 Re:birth …I






「ここが……か」

「うん。坂島だね」


外からでは様子が窺い知れないように、
地下駐車場へとその黒塗りの高級車は停車した。


他の全く同じデザインで作られた車が先行すること三台。


その後ろに、カモフラージュで中也の乗った幹部車両、また二台ほど部下が乗せられた車が続いて、三島の幹部車両。


……計七台の高級車というポートマフィアからの戦費は、多い方である。


部下がドアを開けて、三島が降りた。

中也は既に降りていて、この幹部二名を囲む黒服の部下は一斉に頭を垂れた。


「……すぐに済む一件ならいいンだけどな。
先のヨコハマ大火事で溜まった報告書がまた進まねェじゃねえか」

「ま、最悪、口頭を録音すれば同じことだから、大分ましだと思いたいなあ」



かくいう三島とて、この坂島で起きた不可解な謎––––

人が何百単位で一夜にして失踪した、だなんていう事件が終われば、
また長い長い眠りと休養が待ち構えている。


もしかすれば、特A級危険異能力者を動かしたという懲罰で、
本格的に地下牢へと移されるかもしれない。


……まあ、あそこの花畑が鳥籠であるからして
現状とさして違いはないのだが。



「……で、だ。中也」

「ん?」


時計を見遣れば午後八時を回る頃。


三島の、何やらその無駄に女受けする美しい(のであろう)貌が、神妙になった。




自然と中也も聞き入る。


部下たちも頭を下げながら緊張が走った。



ポートマフィア五大幹部、その二人がここにいる。


それだけで空気は、恐怖や絶望へと書き換わる。



皮肉なことに、そして残酷なことに

その恐怖や絶望を目に見えるカタチで具現化した姿が、こんなに見目麗しい青年たちなのだ。










「……夕食の時間だよ?」



脱力した。




「てっ…、めえ、何事かと思っただろうがっ!」







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