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威 風 堂 々【文豪ストレイドッグス】R18

第4章 静謐に佇む





「んん…ッ! ぅぁ、ふ、」

「かわい…」


私の腕の中で喘ぐ真綿がすごく愛しかった…

じり、と胸の中から 征服欲が湧き上がるのが判る


「…っあ、ぁ、い、おさ…ッ」


この、上擦った声もまた堪らない…



真綿にとって、身体を重ねる行為は
相手の警戒心を解いたり、時には義務や業務としている…



暗殺業を手掛ける真綿は、自身の身体で以つて

相手を知り、感じ、そして屠る。



真綿の詳細を知るのは、首領しかいないらしい。


人格や性格をその人の度に入れ替えて、円滑に暗殺を進めるために

雇い主である森さんが、真綿を管理しているから



「…っふ、ぁ……」

「だけどね、真綿」

「…んんっ……ッ?」



愛撫を一旦とめて、その可憐な唇に指を滑らせる…

は…、と熱い吐息に染まる舌を絡めとり、ちゅっと吸い付いた。




「そうだとしても……私は…」

「何が、…ぅく、っぁ、つい…ッ」



真綿を愛している。


その存在を大切に思う反面、真綿の雇い主である森さんには敵わないことも、知っている…



私か森さんかと問われれば、森さんを選ぶことも知っているのに、私は真綿を愛している




「愛してる…真綿。」

「………妾は」

「……知ってるよ…」




敵わないし、叶わない。



でもそれは、今の真綿の飼い主が

森さんだから、の話だからね?


いつかマフィアから居なくなる時が来たら
私のことを、愛してもらうから……




「…愛してる…」


細められた真綿の黒瞳には、私が映っている。



その瞳の中にいた私は、ひどく何かに渇いている

そんな顔だった。





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