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威 風 堂 々【文豪ストレイドッグス】R18

第33章 Carmine tears





『×月×日……様、悪阻のため来院』
『×月×日……様、胎内の摘出子の性別の確認に来院』

産まれたての子どもの足跡や、足に括り付けるためのゴム製のベルト。

さすがに個人の写真はなかったけれど、子どものためにと揃えられた乳児遊具。



「沢山の女性が、あの廃病院を頼りにしていた。
でも、先の大戦で……」



『×月×日……様、水子堕胎申告』
『×月×日……様、不妊治療申告』
『×月×日……様、胎内の日ル子の摘出申告』


そこで私はその記録を見つけて、頭が痛くなった。

どれだけの産まれてくるはずの命を捨てたのか。





「は……?」


「大戦が終わって、このヨコハマは信じられないくらいに物騒になった。
未亡人が襲われるなんて事も、日常茶飯事だったんだよ。
その時代はね」




交差点が見えてきた。


土煙が幾度も上がり、なんだか沢山のバージンキラーがいるのが判る。





「この続きの謎解きは……あそこでしようか」




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