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威 風 堂 々【文豪ストレイドッグス】R18

第29章 La Vierge…III





「く––––!」


【……、……! ……!】



菜穂子が紙一重で身体を反らした。




びゅ、と風切りの音とともに、上へと舞った髪が千切れる。


頬に朱線が走って、鋭い切れ込みを伴い 血が流れ出す。




ぱたぱたと先ほどの地鳴りでひび割れたアスファルトに

顎を伝って血が滴り落ちた。





「––––あれェ。 バ レ ち ゃ ッ た ?」




ぞわりと全身が、粟立ち逆立つ。


やばい、不味いから逃げろと。




「……そう。 今は、その軍警を乗っ取っているのですね。バージンキラー」



「おカしいなァ、おカしいなァ、お カ し い な ァ……。

どうして、バレる要素があったかなァ」




獣に騎乗し、菜穂子が乗っ取られた軍警……

バージンキラーを睨み据える。




ただ乗っ取られただけのあの軍警がかわいそう。




「私はただ死亡と言った。貴方は殺されたと言った。

そこでもう、貴方の信頼は皆無」


「あァ〜……あノときかァ」




警察帽を雑に脱ぎ、帽子の中から出てきたのは



「動 く と 撃 ツ よ?」


拳銃。


警察で配布される量産型のやつだ。






「……火を放ったのは貴方ですか」


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