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威 風 堂 々【文豪ストレイドッグス】R18

第28章 La Vierge…II




電話を切って、居間の襖を開けた。


座布団に座した 社長、乱歩さん、国木田に新人の太宰。




「社長、妾はこれから少し出てくるよ。用事が出来た」


彼らに端的に言ってから、医療バッグをたぐり寄せた。




「了承した。
もしかしたら昼くらいには真冬と合流出来るかもしれない。連絡を入れる」


うん、と頷き与謝野女医が宿舎から出る。


足取り的には、日曜日に誰にも断りを入れずに出掛ける少女のそれ。





「……用事、ね」


「乱歩?どうした」


乱歩の翠玉の瞳が、意味深に細められた。

眼鏡はかけていないが、全てを見透かしたような反応だ。



「いーや、何も。 じゃあ僕は真冬の迎えに行こっかな。心あたりあるし」

「俺も行きましょう」



立ち上がる乱歩に続き、国木田が立った。





「太宰はどうする」


「んー……」



もしも、その真冬という彼女が

この街の焼却を防ごうと言う魂胆なのだとしたら

出来る限り、今 出来るだけの手筈は整えておきたかった。




「では、昼に合流する際に私もそちらに向かいます。

それまでは別行動で。


私だってちゃんと出来るんですから」




太宰のウインクは、様になっていた。


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