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威 風 堂 々【文豪ストレイドッグス】R18

第27章 La Vierge…I


「上橋 ––––」



「ここに。」




しんとした幹部執務室に、そんな声だけが響いた。


かちゃんとドアを静かに開けて、菜穂子が入ってくる。





その夜、菜穂子が三島からの仕事を終えて

明日(というか今日)、また開かれる幹部会議(今度はヨコハマ本部とも画面通信をする)の用意を

菜穂子含め下級構成員達が早々に始めていた時だった。


呼ばれたならば即参上、幹部を直属の上司に構える菜穂子諸々は
寝る間も惜しみ、昼のように働いている。



……まあ、三島のあの常時 真昼間である病室に
慣れているからか、眠気が来ないということもあるのだが……




「……嗚呼、だから嫌なんだ。あの花園に生物を置くのは……」

「どうかしましたか」

「うん…… 君の睡眠不足をどうにかしようかな……とね。」



眠る前に三島はハーブティーを飲む。



ふわりと香ったその香りと

彼の眼前に高々と積まれた、今回の一件の報告書は似つかわしくない……





「もうお休みになられますか?」



菜穂子がそう問えば

三島はふっと笑って、ぱたんと斜め読みしていたファイルを閉じた。





「上橋、ちょっと出ようか」

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