第5章 SSS キャラ×男主:漫画作品篇(―/2日更新)
★GK尾形百之助&杉元佐一(同衾主続き)
「おい、唇」
「んむ?」
「やだ名前くん、大丈夫~? ちり紙いる~?」
久し振りの家ラーメンにはしゃいだ俺は、唇がスープの脂でテカテカになっている事に気付かなかった。尾形に指摘されて慌てて手の甲で口元を拭うと、確かにぬるっとした動物性油特有のぬめりを感じて眉宇が歪む。半熟卵をひとくちでいったのが駄目だったか。もきゅもきゅと咀嚼しながら杉元とこたつの間――大腿の上に身体を投げ込んで、無理やり彼の向こう側に有るティッシュに手を伸ばす。
「名前、くん……大胆だね」
「んー」
その時期には俺の方もすっかり杉元佐一という兄みたいな存在に慣れきっていたので、その馴れ馴れしい密着具合に違和感を覚えないのがまずかった。ティッシュを数枚引き抜いて唇を拭っている最中も、温かいクッションに寄り添う気持ちでそのままテレビすら見ていれば、正面に座っていた尾形に「離れろ」とこたつの中から脇腹を蹴られてしまった。
★GK杉元佐一(同衾主続き)
杉元の広い背中や逞しい胸筋を見ていると本能のままに飛び込んでみたくなる気持ちになんと名前をつけていいのか分からない。柔和で優しげな雰囲気を持つ杉元を兄と慕いたい、甘やかされたい。そんな衝動を抱えながら自棄酒を呷ったのが不味かったのかもしれない。
「名前くん、酔いすぎだよ~?」
「さいちひゃんのきんたまくら、ふわふわ~えへへ~」
「こら、はしたない言葉使うんじゃありませんよ」
「きんたまらめぇ?」
「金玉はダメでしょ。そもそもそんなところに頭を乗せるのは感心しないよ。せめて膝にしな? ね?」
「くふ……、さいちひゃ、だいすき……」
「ん"あ"っ!!」
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