第1章 第1セット。
「福ちゃん!」
朝登校している彼の背中を見つけて全力で走る。
そのまま背中に飛びつこうとしたがあっさりと避けられてしまい勢いで彼を追い抜いて転びそうになる。
「うわっ、福ちゃんひどいッ!」
「・・・・・」
せっかく福ちゃんの背中で暖をとろうと思ったのにってムッとした表情で振り向けば、おはよう、と言うように両手をヒラヒラ振っている。
あぁ、可愛いなぁ今日も!!
「・・・おはよう、福ちゃん!!」
ほんの一瞬で彼に癒されてしまう私はつくづく彼に惚れているんだなって自覚してしまう。