第14章 虹の暴走
『・・・・・・
・・・てゆーか先輩。
盗み聞きしてるのバレバレですけど』
【虹村】
「っ!?」
きぃ・・・と開かれたドアから現れたにじむー。
めちゃくちゃビックリした顔してるけど、さっきからドアが動いてたからバレバレです
【夢】
「お兄ちゃん!!」
【虹村】
「・・・あーっと・・・
夢、お前会いに行くのはいいけど勝手に出てくなよ」
まだ濡れている髪をガシガシと掻いて、ちらっとこちらを見た。
なんつーツンデレの仕方だよおい
【夢】
「・・・会いに行ってもいいの?」
夢ちゃんの疑問からして、会いに行っちゃダメだとでも言われるのかと思っていたのだろう。
そんなこと言う兄がいたら蹴っ飛ばしてるわな
【虹村】
「・・・いつダメだって言ったんだよ」
【夢】
「・・・・・・──ありがとうっ!!」
【虹村】
「っうお!?」
疑問に対しての答えなんか待っていなかったかの如く、先輩に突進していく。
慌てて受け止めたにじむーだけど、さすがの彼もよろけていた。
【虹村】
「・・・みんな会いてぇのは変わんねぇよ。だから・・・もう少し待ってろ」
【夢】
「お兄ちゃん、前もそれ言ってた」
【虹村】
「・・・・・・まじかよ」