第14章 虹の暴走

『あの、先輩･･･』


【虹村】
「･･･なんだよ」



今日は久しぶりに一緒に下校している私たち。


なのに、和やかになるかと思ったら･･･その逆！

まさかの逆！


『･･･怒ってますよねー』


【虹村】
「･･･怒ってねぇってさっきから言ってんだろ」




ラブコメでよくありそうな展開も、状況が変わればただの気まずい空間で。


なんでこんなことに･･･














『先輩！今日わたしスーパー寄ってくんで！チェーンしないでおいてくださいよ』


【虹村】
『あぁ？　そんなことするわけないだろ』


『（前してたじゃん）』


【虹村】
『･･･俺もついてくから。
早く準備してこい』




『あ、はーい


･･････




･････････ええ！？』












横目に先輩をチラリと見やる。

だけど、いつものように口を尖らせているだけで。


『（口を尖らせてるときって、なにか考えてる時なんだっけ？）』


うーん、やっぱりなに考えてるか分からん。


･･･アヒル口かわいいなぁ



･･････って、なに考えてんだ！
私の方こそ、なに考えてるかわからん！







【虹村】
「･･･こうでもしねぇと俺がもたねぇからな」


『はい？』


【虹村】
「！！　なんでもねーよっ！」




慌てふためく先輩。
なんか可愛いわ


『幸せもんだなぁ、わたし』


【虹村】
「？　なんか言ったか？」


『！！　なんでもないです！！』