第13章 灰の心
「ようこそ
帝光バスケ部、一軍へ」
黒子くんの大きな目が、これでもかと見開かれる。
『これからきみの役割は、もちろんみんなと勝利を手にすること。
でも、それは個人プレーでじゃない。
みんなを繋ぎとめる役割だよ』
そう。コート上でもそうだし、バラバラになっていくであろうキセキ達をまとめる役を・・・どうかしてほしい。
【黒子】
「・・・はい。やり遂げます」
【虹村】
「そうしてくれねぇと困んだけどな。
・・・まぁ、がんばれよ」
珍しい虹村先輩のエール。
これには私でさえもビックリしていた。
ひとつの問題が一段落。
そして、次の問題と言えば・・・
【灰崎】
「んなぁ、部活サボって遊び行こうぜ~?
むさ苦しいだけだろ、こんなとこ」
『・・・・・・。』
帝光バスケ部いちの問題児、灰崎祥吾。
てか、矢先を私に向けんなよ
めーわくだーめーわくー
【虹村】
「・・・灰崎てめぇ、いい加減にしろよ」
【灰崎】
「へーへー、分かってますって~」
わかってねぇな、ってきこえてきましたよ先輩。
オーラ怖い。殺気出てるよ
『・・・灰崎くん、今日も遅刻だったよね。
・・・遅刻した分、居残り練習していこうか』
【灰崎】
「はぁ!? や、んねーしっ!」
ひよこのようなピョンピョン頭(ひよこに失礼か)が風に吹かれている。
あ、なんか肌寒いと思ったら扉開いてたね
『あ、灰崎くん。そこの扉閉めてください』
【灰崎】
「なんでそんなこと俺がしなくちゃいけねぇんだよ」
『最後に入ってきたの君でしょうが。
常識は守って』
【灰崎】
「・・・・・・へーへー」
口を尖らせながらも、ちゃんと閉めてくれた。
雑じゃなくて、普通にね